病院とライブハウス

風邪がしぶとい。

喉の痛みからはじまり悪寒がきて、ピークには頭痛と発熱があった。

今はまた喉の痛みと咳だけになってきているが、この喉の諸々の不調がとてもしぶとくて困っている。

マスクをしたり喉に効くハーブティーを飲んでみたり、のど飴を舐めたりといろいろ試している。

だが寝て起きたらまた喉が痛くて痛くて、回復した分がリセットされているのかと思うほど治りが遅い。

 

このところ記事も風邪絡みの内容が多くなっているが、ふとんの中でおとなしくしていると、ふと思ったことを深く考える時間が普段よりもできるからなのかもしれない。

 

喉が痛くなった日、すぐにかかりつけ医で診てもらいに行った。

いつも引きはじめのころは軽いから市販でなんとかなるだろうと応急で対処しているが、結局ずるずると症状が長引いてしまうため、今回はその日のうちに病院へ行った。

 

私の住む近辺には多すぎるほど病院が集まっている。

引っ越してきた当初は、どこがいいのかもわからなかったから、とりあえず内科はひと通り受診してみた。

だが結局どこも医師の腕はさして変わらないような気がした。

 

そのため、私が今その町医者をかかりつけ医にしているのは特に腕を頼ってということではないのだ。

なんとなくずっとそこに通っているのはなぜだろうと考えたら、それは受付の人や看護師さんの人あたりがよいからなのかもしれない。

医師の腕など素人なので厳密にはわからない。

それでおのずと私は、ほかの要素でかかりつけ医を選んでいたようだ。

 

いろいろ病院をまわったが、受付の人の態度が悪いところも意外と少なくなかった。

目も合わないし、話す声の調子もきつい。

初診だから問診票を書いてくれとの案内も事務的で冷たい印象を受けてしまった。

 

病院は、心身が弱ったときに行くところだ。

そこで冷たくあたられると、元気なときよりも傷つきやすいし、気が滅入る。

 

気持ちが沈むと病気の治りも悪くなると思っているので、私はなるべく穏やかな気持ちで受診できる医院を選びたいのだ。

 

なにかの施設を訪れたとき、その目的の物事がどうかということとともに、受付の人やそこのスタッフの人の態度によってもその施設の印象がかなり左右される。

 

同じようなことがほかにもあった。

私はバンドのライブを見に行くのが好きで、よくライブハウスへ足を運ぶ。

 

まず入り口を入ると、だいたいのライブハウスには受付のカウンターがある。

カウンターではひとりか二人スタッフの人が立っていて、事前に買ったチケットを渡して半券とフライヤーをもらう。

その際、複数のバンドが出演する日にはどのバンドが目当てか訊かれることが多い。

 

ライブハウスはワンドリンク制のところがほとんどなので、入場の際チケット代とは別にドリンク1杯分の代金も払い、ドリンクチケットをもらう。

そのドリンクチケットはライブハウス内にあるバーカウンターで好きなドリンクと交換することができるのだ。

 

このように、ライブハウスのスタッフと私たちのような客が接するのは入場時のやりとりとドリンク交換のときくらいである。

でもこんな数十秒ほどのやりとりでも、そのライブハウスの雰囲気や印象を掴むのには充分だったりする。

 

これは私の体感ではあるのだが、受付の人が嫌な感じだとバーカウンターの人の態度もあまり良くない率はわりと高い気がする。

そういうところはなんだか高圧的というか、俺は(私は)ライブハウスで働いてんだぞ(てるのよ)感を全面に出している人が多くてあまり好きになれない。

 

反対に、受付の人がにこにこと迎えてくれるところでは、バーカウンターの人も愛想がいいことが多い。

ちゃんと、このライブハウスに来たお客さんとして迎え入れられている感じがするのだ。

 

病院の受付もライブハウスのスタッフも、私がやっているような典型的な接客業とはまた性質も仕事内容も違うのは承知している。

しかし、客(患者)を相手にする時間の長い仕事をしているのであれば、やはりそれ相応の態度をとるようつとめるべきなのではないだろうか。

 

書いていて、自分でもバイト中気をつけようと思った。

自分は大きな店のなかで目立たない存在だと思っていても、お客さんが接するのは自分ひとりだ。

私ひとりの印象が、もしかしたらその店の印象に直結することになるかもしれないのだから。