お題:最近見た夢

お題「最近見た夢」

 

夢日記をつけると気が狂うと聞いたことがあるので若干文にするのが怖いのだが、今回だけなので大丈夫だろう。

 

最近、疲れているのか寝ていても3時間ごとに目が覚めたり、アラームを設定した時間の1分前にパッと目が覚めたり、3日連続で勝手に6時キッカリに目が覚めたりする。

 

私はもともとは朝が苦手で、ウォークマンと携帯と目覚まし時計の3つでアラームをセットしていても、全然聞こえなくて起きられないほどだった。

夢なんかほぼ見ることもなかったのだが、最近は眠りが浅いようでよく夢を見る。

しかも、現実と混ざったような内容がほとんどで、たまに本当にあったことなのか夢でのことなのかわからなくなる。

 

つい最近、付き合ってくださいと告白された。

その人とは仲が良かったし、普通に人間として私も好きだったし、面白い人だと思っていたけれども、お断りをした。

細かいことは書かないが、今私は誰かとちゃんとお付き合いをしていく自信がなかったのだ。じつは自分ひとりの体で毎日を生きていくのも精一杯だ。

相手に不満があったのではなくて、私に余裕がないから断った。

 

とはいっても、せっかく仲良くなったのにこんな形で気まずくなったり話せなくなったりするのは悲しい。

だが、今までのように仲良くしたいと言ったら無神経だろうか、相手にとっては酷なことだろうかとずっと考えていた。

そんなことで頭がいっぱいの状態で、その日は眠りについた。

 

するとわかりやすく、夢にそれがでてきた。

やっぱり、このまま疎遠になるのは悲しかった。

私の身勝手かもしれないが、ちゃんと話がしたいとその相手に声をかけた。

一瞬逃げられそうになったが、必死に引き留めた。

私は思い切って、このままさよならになるのは嫌だ、今までのように仲良くしてほしいと伝えた。

少し困ったような顔をされたが、いいよ、今度またなにか一緒に食べに行こうと言ってくれた。

私はとてもホッとした。

 

 

ここで、目が覚めた。

うつ伏せになっていて苦しかった。目の前には5時58分を指す時計が見えた。

部屋は暗く、寒かった。

まだ寝ぼけていた。とりあえず携帯を見てLINEを開くと、昨日の寂しそうな相手の文面がそのまま残っているだけだった。

 

ここでようやく、現実に引き戻された。

良くなった夢が覚めたあとの現実は本当に辛いものだと実感した。

 

 

かと思えば、相変わらず睡眠も浅く寝覚めもよくないが、まったく反対のこともあった。

 

パッと目覚めたとき、なぜか私の体は揺れていた。

揺れているのに気づくまで時間がかかったが、うつ伏せで体が動いていた。

ただ揺れているのではなくて、私はケラケラと声を出して笑っていたのだ。

 

自分の笑い声とその振動で目覚めて、怖かった。

我に返って思い出すと、学校の友達がなにかくだらないギャグを言っていて、それであんなに笑っていたのだ。

 

夢の中で笑っていただけなのに、現実でも実際に声を出して笑ってしまっているなんて怖すぎる。

もしかしたら秘密のことが夢にでてきて、知らないうちに寝言で話してしまうこともあるかもしれない。怖すぎる。

 

それで今、泉鏡花の「外科室」という小説を思い出した。

というか、その懸念が主軸となって物語が動く。

 

胸を病んで外科手術を受けることになったが、眠ってしまうことを嫌がって麻酔にかかろうとしない夫人がいた。

夫人は、眠っている間に自分がうわ言で、ある秘密を言ってしまうことを恐れて是が非でも麻酔を打たせようとしなかった。

結局、あまりの意思の固さに外科医は折れ、麻酔をしないまま手術をすることとなる。

だが途中で、夫人は外科医の手ごとメスを持ち、自分の胸に突き立ててそこで絶命してしまう。なぜここで死んでしまったのかは諸説ある。

その後の物語では外科医の過去が描かれ、その夫人と若かりしころから心を通わせていたようなことが明らかになる。

夫のある身でありながら今でも外科医を忘れられぬということを、夫人は必死で隠そうとしたのだった。

 

とてもざっくり書くとこんなあらすじの話だ。

眠っている間に自らの口から秘密がバレるのを恐れて、麻酔なしで外科手術を受けるなんて正気の沙汰ではない。

だが、それくらい寝言を恐れる気持ちはとてもわかる。

誰にだって何がなんでも人に知られたくない秘密があるはずだ。

それが一番バレるリスクが高いのは、意識のない眠っているときなのかもしれない。

 

話がかなり脱線してしまったが、私は夢を見て良かったことのほうが極めて少ない。

目が覚めた現実がどん底な場合がほとんどだ。

 

夢と現実のギャップで朝から心が重くならぬよう、横たわっているだけで見られる幸せな夢より、自分で動いてより良い現実を作っていきたいものである。